Give Me Smile―新撰組と氷姫―
名無しさん
昼過ぎの屯所。
洗濯も掃除も一段落して、今はお昼休憩。
「……ふぅ…」
誰もいないのを確認して携帯を開くと、まだ充電は3つある。
まあ、全然という程使ってないし、電源も切ってるから減らないんだろうけど。
(でも、もう暑い時期だわ)
幕末だから当然、エアコンとか扇風機とか無いのは覚悟していたけど…。
…暑い、暑すぎる。
せめて、と手で風を送っていると、ある事に気付いた。
(この時代…扇子ならあるかも)
いつ買いに行こうかな、と考えているとトタトタと足音が聞こえてきた為、着物を正して携帯を懐に隠す。
すると、タイミングよく…。
「千春ちゃんっ!暇やわ〜」
「…………それで、あたしにどうしろ、と?」
声も掛けずに入ってきたのは、雪さん。
相変わらず、掃除も洗濯も料理も上達しない女中だ。