Give Me Smile―新撰組と氷姫―





雪さんも雪さんで、あたしが必ず断ると分かっている筈なのに、こうやって毎日誘ってくる。


別に、友達でもないんだけどね。



「お願い!なぁ、一緒に出かけよ〜!?千春ちゃんの行きたいとこないん?」


まだ諦めきれないのか、懇願してくる雪さんに、ため息を吐く。


「あ!千春ちゃん、ため息吐いたら幸せ逃げるからあかんよ?」


「……扇子」


「へ?」



聞こえなかったのか、意味が分からなかったのかは定かでないけれど、雪さんが首を傾ける。


やっぱり、雪さんは千香に似てる気がするんだよね…。



「……扇子、売っているお店…知っていますか?」


「!任せてっ!ほな、千春ちゃん行こかっ!!」



…だからなのか、何故か無下にできない自分がいるのも事実だ。





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