Give Me Smile―新撰組と氷姫―
適当な額だけお金を持ち、門に向かって歩いていると、ばったり藤堂さんと出会う。
「あれー?2人でどっか出掛けんの?」
「そうなんです!千春ちゃんとお買い物して来ますっ」
雪さんと藤堂さんが話しだした為、木の下にある木陰に入る。
…肌焼けたくないし。
そもそも、着物が暑くてしょうがない。
(よく皆平然としていられるな…)
「──…んじゃ、ちゃんと夕刻迄には帰って来いよ?」
「はいっ。わかってます!さ、千春ちゃん行こー!!」
「……はい」
話が終わったのか、雪さんと一緒に門を出る。
藤堂さんは見送りをしてくれて、雪さんはマシンガントーク、あたしはそれに相槌を打つだけだった。
歩き始めて数十分、雪さんが小さなお店を指差し、ニコニコと笑う。
「ここやで、千春ちゃん!見てみ、可愛いのめっちゃあるやろ?」
「……綺麗…」
雪さんが連れて来てくれたお店は、雑貨屋で扇子の他にも簪もたくさんある。
小さなお店だけど、お客さんも沢山いるから人気があるのかも。