Give Me Smile―新撰組と氷姫―
どうして?
ただの赤の他人に、こんなに親切にしてくれるの?
全く沖田さんの考えがわからない。
あたしが質問すれば、沖田さんはあはは!と笑った。
「千春さん、僕の考えていることがわからない、って顔してますね」
「…どうしてわかったんですか」
「そりゃあ、わかりますよ。僕は、これでも一応剣士ですから」
そう言って、沖田さんは腰に差している刀を撫でている。
それほど、大事な物なんだろう。
だけど、やっぱり腑に落ちない自分がいる。
「まあ、千春さんは私に頼っていればいいんですよ」
「………でも」
「いいんです!」
やっぱり、沖田さんの考えがわからない。
この人、何がしたいんだろう。
「そろそろ、皆さんに千春さんを紹介しますか」
スクッと立ち上がる沖田さんに続く。
あたしの心臓の鼓動は、だんだんと速まっていった。