Give Me Smile―新撰組と氷姫―
それからの話の流れは速く、女中のおもな仕事を教えてくれた。
仕事内容は、まあ、簡単に言えば家事。
炊事、洗濯、掃除…など、お客様とかにお茶を出したりもするらしい。
「──…が、女中の仕事だ。わかったな?」
「…はい」
話は終わりだ、とスタスタと部屋を出ていく土方さんと近藤さん。
「それじゃ、僕達も部屋へ帰りましょうか」
コクリと頷いて、立ち上がる。
その途端、身体がぐらついて、尻餅をついてしまった。
「千春さん!?大丈夫ですか?」
「…あ、はい」
ヤバい。
珍しく長時間正座をしていたせいか、足が痺れていうことを聞かない。
沖田さんは、今のあたしの状態を見抜いたのか、あはは!と笑っている。
それから、あたしに背を向けて座った。
「千春さん、僕の背中に乗って下さい」
「…え、でも」
「大丈夫ですよ、僕、これでも男なんですよ?」
ほら、と急かされて、渋々もつれる足を動かして沖田さんの背中に乗った。