Give Me Smile―新撰組と氷姫―
「沖田さん、ありがとうございました」
「いえいえ。それでは、お仕事頑張って下さいね!」
終始ニコニコしながら、沖田さんは帰って行った。
カチャカチャ…
たくさんありすぎて、数える気も失せる食器を手際よく洗っていく。
さっき沖田さんが「今日は少ないほうですねー」…なんて言っていたけど、あたしにしたら物凄く多く感じる。
…てか、これよりも多い日があるとか……新撰組に隊士は何人いるんだろう……。
***
最後の一枚になったとき、扉の方から足音が聞こえた。
気になって後ろを振り向けば、…確か斎藤さんが静かに立っている。
…何かあたしに用があるんだろうか。
「……神崎」
「……はい?」
「…………」
や、そこ黙られるとこっちが困るんですけど。
あたし、もう何かミスしたんだろうか。