Give Me Smile―新撰組と氷姫―
さっきから、あの観察してるような、疑っているような…あの視線。
感づいてはいるけど、敢えて聞いてみる。
「……いや、なんでもない。仕事、引き続き頼んだぞ」
「……わかりました」
あたしはペコリと頭を下げて、井戸から立ち去る。
なんか、嫌な感じは拭えないけど、あたしは朝食を作る為に台所へ向かった。
***
コトコト…。
後は、盛り付けをして…と。
「……終わった…」
新撰組の隊士の数は多いから、その分手間も掛かる。
ふぅ、とため息を吐いてお膳を重ねて運ぼうとすると、腕が急に軽くなった。
「……!?」
「おはよう、千春ちゃん!俺も運ぶの手伝うよ」
藤堂さんが、あたしが持っていたお膳を持ってくれていた。