Give Me Smile―新撰組と氷姫―





さっきから、あの観察してるような、疑っているような…あの視線。


感づいてはいるけど、敢えて聞いてみる。



「……いや、なんでもない。仕事、引き続き頼んだぞ」


「……わかりました」



あたしはペコリと頭を下げて、井戸から立ち去る。


なんか、嫌な感じは拭えないけど、あたしは朝食を作る為に台所へ向かった。




***




コトコト…。


後は、盛り付けをして…と。



「……終わった…」



新撰組の隊士の数は多いから、その分手間も掛かる。


ふぅ、とため息を吐いてお膳を重ねて運ぼうとすると、腕が急に軽くなった。



「……!?」


「おはよう、千春ちゃん!俺も運ぶの手伝うよ」



藤堂さんが、あたしが持っていたお膳を持ってくれていた。













< 57 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop