Give Me Smile―新撰組と氷姫―
***
千春さんの走って行った方を見つめる。
きっと、焦って屯所へ帰ったのだろう。
…少し、いやすごく千春さんらしくはありませんが。
「総司」
そして。
「何でしょう、一君?」
何か怒っているような一君がいた。
「…知っていたのか?」
「何を、ですか?」
千春さんの後を追うみたいで変みたいだけど、屯所へ向かう。
「あくまで惚けるつもりか?」
「いやだなぁ、一君。冗談ですよ、冗談。剣をしまって下さい」