Give Me Smile―新撰組と氷姫―
「……ん…」
あれ、ここは…。
頭がボーっとする。
ゆっくりと起き上がると、桜の木の下に横になっていた。
あたし、ドレスのままなんだ。
ふと空を見上げると真っ暗で、満月が出ている。
「……目、覚めたみたいですね」
声のした方へ振り向けば、中性的で綺麗な男の人がいた。
女子にすごくモテそうな感じがする。
彼は和服姿で、桜の木に寄りかかるように、座っていた。
でも、腰に刀を2本差している。
「大丈夫ですか?」
「……はい」
顔を覗き込むように見られて、ムッとする。
なんなんだろ、この人。