Give Me Smile―新撰組と氷姫―
あの忌まわしい日。
本当、思い出しただけで鳥肌が立つ。
「──…ですが、結婚だけはしたくなく、その場から逃走し……力尽きて倒れました」
「それで、目が覚めたら総司が隣にいた…と」
「……そういう事になります」
…あの時、あたしは逃げ出していて、良かったのだろうか?
今でも、そんなことを思う。
こんなおとぎ話みたいな事、あたしも信じていなかった。
タイムトラベル、なんて。
「神崎、てめぇ…。嘘吐くならもっとマシな嘘をつけ」
「…神崎。その話には筋が通っているようには聞こえる。…だが、信憑性がない」