Give Me Smile―新撰組と氷姫―





あの忌まわしい日。

本当、思い出しただけで鳥肌が立つ。



「──…ですが、結婚だけはしたくなく、その場から逃走し……力尽きて倒れました」


「それで、目が覚めたら総司が隣にいた…と」


「……そういう事になります」



…あの時、あたしは逃げ出していて、良かったのだろうか?


今でも、そんなことを思う。


こんなおとぎ話みたいな事、あたしも信じていなかった。


タイムトラベル、なんて。



「神崎、てめぇ…。嘘吐くならもっとマシな嘘をつけ」


「…神崎。その話には筋が通っているようには聞こえる。…だが、信憑性がない」









< 86 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop