Give Me Smile―新撰組と氷姫―
部屋に着くと、斎藤さんはすぐに副長の部屋へ戻ったみたいだ。
当たり前だけど、部屋にはあたししかいないハズなのに、視線を感じるというか…何かあるというか。
…まあ、大体の見当はついてるんだけどさ。
「……いっそのこと、降りてくるなり姿を現すなりしたらいかがですか?」
あたしの声は聞こえていなかったのか、誰も姿を現さない。
まあ、しょうがないか。
きっと、副長にでも頼まれてたのだろう。
あたしはその視線に気にすることもなく、携帯をまたウェディングドレスの中へ隠したのだった。