365日+1日、飾らない言葉をさがして。< 短編集 >
日曜日、午前10時。
最寄り駅前広場での待ち合わせ。


瑠香の彼氏に会うだけのことなのに、
どうしようもない緊張感におそわれていた。


こちらに向かって仲良さげなカップルが歩いてくる。

< あっ!! >


私は言葉を失った。
ラジオから流れていた歌詞通りだったから…。


「 優奈、ごめんね…待たせて。 」

私は首を横にふった。


「 あのね
こちらが私の彼… 」

幸せそうに彼の顔を見つめている。

「 入江と申します。
瑠香ちゃんから、優奈ちゃんのことはよく聞いて…

あっ!
昨日レストランで会いましたよね?
たしか…
家族で…オムレツを…。 」


< 私のこと見てくれていたんだ!! >

嬉しくて涙が流れそうになった…


「 はい、
昨夜は家族と食事に行きましたよ。 」


めちゃくちゃ、そっけなく答えた…
今の私の精一杯だった。
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