365日+1日、飾らない言葉をさがして。< 短編集 >
クリスマスって誰のためにあるの?


キラキラな街並みを
束紗くんと営業先に挨拶まわり。

年末だなぁって
思い知らされる。


「 苺香もさぁ、
クリスマスなのにオレといて、
かわいそうだなぁ。 」


仕事がおわり、
私を家まで送ってくれる束紗くんの車の中。


「 いいえ、
もう束紗くん知ってるじゃん。
私一人だったから仕事出来て良かったです。 」


公園の駐車場に車を停めて、
束紗くんはゴソゴソと後ろで何やらやっている。

ライターをつける音がして振り向くと、


「 苺香、二人でクリスマスパーティーしよう。 」


後部座席に移動して
二人でケーキを食べている時に、


「 あっ!
家にきませんか?近いですし。 」


「 今日は、このまま二人でいたいな。
苺香の家には、
いつか…
オレを男としてみてくれたら、
その時はよんでほしいなぁ。 」


照れくさそうに笑って、
私のケーキを横取りした。


クリスマスって誰のためにあるの?


それは、
これから恋を始めようとしている二人に

おまじないをするためにあるの。
って、


今の私なら答えるなぁ…。





end
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