365日+1日、飾らない言葉をさがして。< 短編集 >
「 行方( なめかた )
なんか顔赤いよ、大丈夫か? 」


ボーッとしてたからか水間先輩に声かけてもらっちゃった。


「 まあ、ムリすんなよ。
来週社員旅行だしな。
行方も行くんだろ? 」


おっ!
忘れるところだった。
自由行動がほとんどない社員旅行。

なにげに楽しみにしてるんだよね。
忘れてたのに楽しみって?なんて言わないでね。


「 はい、元気になります。 」


スマイルスマイル。


「 行方こないとさ、
パシリがいないからオレ泣いちゃうよ。
まっ!元気になれよ。 」


缶コーヒーを手渡された。


あこがれだけじゃなく、
リアルに恋愛してみようかな?

仕事が終わって夜空を見ていた。


月、水星、金星、木星が
こんなにきれいに並んでいる。

こんなことめったにないよね?
だから気持ちを水間先輩に伝えてみようかな?


「 行方!
外見てないで早く帰れよ! 」


帰る用意もしていない私に呆れながら言ってるよ。

のんびりバッグに手帳やらしまっていると


「 舞子、今日メシ食っていくか? 」


「 はい! 」


名前で呼ばれた嬉しさに返事も大きくなっていた。



だから恋愛できないのかな?


いや、
そろそろ恋愛してみようかな?






end
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