渋谷33番
「そういえばキャシーはどうして捕まったの?あ、言いたくなかったらいいんだけど」

「ダイジョブ」
そう言うと身体をおこしてあぐらをかく姿勢で雪乃と向かい合った。

「ワタシ シブヤ ハタラク。バーテン」

「あぁ、バーテンダーなのね」
その姿を想像して雪乃はうなずく。

「アルヒ ヨッパライフタリ スゴクミセデ アバレル。ワタシ チュウイ」

「酔っ払いを注意したのね?それで?」

「オトコ フタリ ミセ デテイッタ」

 キャシーのような大きな体格の人に注意されたなら慌てて逃げるかもしれない。雪乃は続きをうながすように何度もうなずいた。

「ワタシ シゴトオワリ、ソト イク。カエル。 デモ、ソトニ オトコ マッテタ。アー・・・ ミチノウラ」

「ミチノウラ?あぁ、路地裏?」

「ソウ!ロジウラ イッテ ナグラレタ」

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