渋谷33番
「あげくには山本雪乃の弁護士から『紙袋の指紋の鑑定』まで指示され・・・なんで警察がこうも弁護士に捜査方法を指示されなくちゃならないのよ!」
「あぁ、その鑑定結果の報告が今の電話なんですね?」
ようやく合点した吉沢が問う。
「そうよ。紙袋からは弁護士の言うとおり、松下野々香の指紋がいくつも見つかったわ。念のため袋の中身も調べさせたわ。そうしたら・・・」
「覚せい剤が?」
そう言いながら、吉沢は『しまった』と心の中でさけんだ。
「私のセリフよ!人の話は最後まで聞きなさい」
植園が例のごとく頭を掻きむしりながら叱った。朝だというのに、もう髪が乱れてしまっている。
ひとつ大きく息をつくと、植園はいくぶん落ち着いた声で言った。
「あと5日。あと5日で起訴できるっていうのに、状況が大きく変わってきている。弁護士は必ずこの証拠に食いつくに決まってるもの」
「あぁ、その鑑定結果の報告が今の電話なんですね?」
ようやく合点した吉沢が問う。
「そうよ。紙袋からは弁護士の言うとおり、松下野々香の指紋がいくつも見つかったわ。念のため袋の中身も調べさせたわ。そうしたら・・・」
「覚せい剤が?」
そう言いながら、吉沢は『しまった』と心の中でさけんだ。
「私のセリフよ!人の話は最後まで聞きなさい」
植園が例のごとく頭を掻きむしりながら叱った。朝だというのに、もう髪が乱れてしまっている。
ひとつ大きく息をつくと、植園はいくぶん落ち着いた声で言った。
「あと5日。あと5日で起訴できるっていうのに、状況が大きく変わってきている。弁護士は必ずこの証拠に食いつくに決まってるもの」