渋谷33番
「つまり、松下野々香がやはり売人だと?」
ピクリと植園のこめかみが震えたが、逆鱗には触れなかったようだ。
「大量の覚せい剤の入ったケースが紙袋に入れられていたことは、中から微量の覚せい剤が出たことで間違いないと思う。持っていたのは山本雪乃、彼女が第一容疑者。でも、指紋は松下野々香のものだけ。これはいったいどういうことなの?」
吉沢はそれには答えずに、
「少し気になるんですが、紙袋に山本雪乃本人の指紋がついていなかったのはどういうことでしょうか?移動中は紐の部分だけを持っていたとしても、家についてからはどうしても側面を触ってしまうものではないですか?」
と、気になっていることを尋ねた。
「知らないわよ。なんかあの子、育ちが良さそうだから紐の部分だけを持ってたんじゃないの?」
容疑者に感情をあらわにしない植園にしては珍しく、嫌悪のこもった言い方だった。
ピクリと植園のこめかみが震えたが、逆鱗には触れなかったようだ。
「大量の覚せい剤の入ったケースが紙袋に入れられていたことは、中から微量の覚せい剤が出たことで間違いないと思う。持っていたのは山本雪乃、彼女が第一容疑者。でも、指紋は松下野々香のものだけ。これはいったいどういうことなの?」
吉沢はそれには答えずに、
「少し気になるんですが、紙袋に山本雪乃本人の指紋がついていなかったのはどういうことでしょうか?移動中は紐の部分だけを持っていたとしても、家についてからはどうしても側面を触ってしまうものではないですか?」
と、気になっていることを尋ねた。
「知らないわよ。なんかあの子、育ちが良さそうだから紐の部分だけを持ってたんじゃないの?」
容疑者に感情をあらわにしない植園にしては珍しく、嫌悪のこもった言い方だった。