渋谷33番
「もう少し山本雪乃にやさしくしてあげてください」
雪乃を留置所まで送ったあと、吉沢は植園にそう言った。
「は?何言ってるの?」
「ああいう言い方は、留置所生活で疲労している被疑者を傷つけるだけです」
吉沢は目をそらさずに言った。こんなことは初めてのことだった。
植園は足を組んだまま椅子ごと吉沢に向いた。
「被疑者に感情移入するな、っていつも言ってるでしょう」
「それはあなたのほうじゃないですか」
周りの刑事が何事かと視線を向けてくるが、構わずに吉沢は続けた。
「どう見ても、山本に恨みがあるようにしか見えませんよ。公平であるならば、証拠をきちんと照らし合わせて、それに基づいた発言をしてください」
「吉沢くんこそおかしいんじゃないの?最有力被疑者を落とすためなら、私はどんな手だって使うわよ。これからだってそう、何も変わらないわ」
雪乃を留置所まで送ったあと、吉沢は植園にそう言った。
「は?何言ってるの?」
「ああいう言い方は、留置所生活で疲労している被疑者を傷つけるだけです」
吉沢は目をそらさずに言った。こんなことは初めてのことだった。
植園は足を組んだまま椅子ごと吉沢に向いた。
「被疑者に感情移入するな、っていつも言ってるでしょう」
「それはあなたのほうじゃないですか」
周りの刑事が何事かと視線を向けてくるが、構わずに吉沢は続けた。
「どう見ても、山本に恨みがあるようにしか見えませんよ。公平であるならば、証拠をきちんと照らし合わせて、それに基づいた発言をしてください」
「吉沢くんこそおかしいんじゃないの?最有力被疑者を落とすためなら、私はどんな手だって使うわよ。これからだってそう、何も変わらないわ」