渋谷33番
しばらく無言でふたりは見つめ合っていた。
「仕事に戻りなさい」
沈黙をやぶったのは植園の方だった。
「松下野々香の携帯電話の記録の照会はできたの?」
「いえ、まだです。松下の両親の同意がとれません」
吉沢も事務的な口調に戻って言う。
「そうなの?携帯の記録で彼女の容疑の有無が分かりそうなのに」
「両親は無実を信じているようでして、何度説得しても同意が得られません。令状を申請して携帯会社に提出を求めますか?」
植園は「んー」と考え込みながら、
「そうね。証拠もいくつもあるわけだし、令状をとってみて」
と言うと、再び机に向かった。軽くうなずくと、吉沢はそこを去った。
植園は一番近くにあった資料を手に取ると、それを乱暴にめくった。
動揺していた。
「仕事に戻りなさい」
沈黙をやぶったのは植園の方だった。
「松下野々香の携帯電話の記録の照会はできたの?」
「いえ、まだです。松下の両親の同意がとれません」
吉沢も事務的な口調に戻って言う。
「そうなの?携帯の記録で彼女の容疑の有無が分かりそうなのに」
「両親は無実を信じているようでして、何度説得しても同意が得られません。令状を申請して携帯会社に提出を求めますか?」
植園は「んー」と考え込みながら、
「そうね。証拠もいくつもあるわけだし、令状をとってみて」
と言うと、再び机に向かった。軽くうなずくと、吉沢はそこを去った。
植園は一番近くにあった資料を手に取ると、それを乱暴にめくった。
動揺していた。