渋谷33番
吉沢は何かを考え込むかのように、
「ううん」とうなった。
「あの量なら普通実刑は間違いないけれど、山本の場合は初犯だから執行猶予もありえる。それに、もし実刑だった場合、山本の弁護士はまず間違いなく控訴するでしょうね。家宅捜索での証拠や切手のDNA、紙袋の件といい戦える証拠はたくさんあるでしょうしね。そうなったら、容疑が松下野々香と二分されている以上厳しくなる」
「共犯説はどうでしょうか?」
手帳を操りながら吉沢が問うた。
「確かにアメリカなんかでは『疑わしきを罰せず』という考え方があるけれど、日本では通用しない。それに、あの2人が共犯っていうのは現実味がないわ。結局どっちも罪に問われるのがオチだもの」
そう言うと、植園は再び窓の外を見やった。
つられて吉沢も疲れた顔をそちらに向けた。
雨はまだ止まない。
「ううん」とうなった。
「あの量なら普通実刑は間違いないけれど、山本の場合は初犯だから執行猶予もありえる。それに、もし実刑だった場合、山本の弁護士はまず間違いなく控訴するでしょうね。家宅捜索での証拠や切手のDNA、紙袋の件といい戦える証拠はたくさんあるでしょうしね。そうなったら、容疑が松下野々香と二分されている以上厳しくなる」
「共犯説はどうでしょうか?」
手帳を操りながら吉沢が問うた。
「確かにアメリカなんかでは『疑わしきを罰せず』という考え方があるけれど、日本では通用しない。それに、あの2人が共犯っていうのは現実味がないわ。結局どっちも罪に問われるのがオチだもの」
そう言うと、植園は再び窓の外を見やった。
つられて吉沢も疲れた顔をそちらに向けた。
雨はまだ止まない。