渋谷33番
「最近、思うんです」
見上げるように2人を交互に見ながら、雪乃は言った。
「何をや?」
和美もひざを立てたままの姿勢で問い返す。
「ただの大学生だった私が、ここに来ていろいろな世界を知りました。もちろん、疑いがかけられているのは悲しいですよ。でも、こうして生きている。むしろ、逆に生きている事をここにいると深く実感できているんです。そう考えると、これまでの自分が情けなく思えてしまいます。生きることに真面目に向き合ってなかったんじゃないか、って」
「それはそれは」
笑いながら和美は口笛を吹いた。
「もし、私が外に出られたなら、今度はきちんと毎日を生きると思います。そして、そう思えたのは」
そこでいったん言葉を切り、雪乃は身体を起こして正座をした。
「そう思えたのは、和美さんとキャシーに出逢えたからだって思うんです」
その言葉に和美とキャシーが顔を見合わす。
見上げるように2人を交互に見ながら、雪乃は言った。
「何をや?」
和美もひざを立てたままの姿勢で問い返す。
「ただの大学生だった私が、ここに来ていろいろな世界を知りました。もちろん、疑いがかけられているのは悲しいですよ。でも、こうして生きている。むしろ、逆に生きている事をここにいると深く実感できているんです。そう考えると、これまでの自分が情けなく思えてしまいます。生きることに真面目に向き合ってなかったんじゃないか、って」
「それはそれは」
笑いながら和美は口笛を吹いた。
「もし、私が外に出られたなら、今度はきちんと毎日を生きると思います。そして、そう思えたのは」
そこでいったん言葉を切り、雪乃は身体を起こして正座をした。
「そう思えたのは、和美さんとキャシーに出逢えたからだって思うんです」
その言葉に和美とキャシーが顔を見合わす。