渋谷33番
「お2人には、本当に感謝しています。もし違う人がこの部屋だったなら、ここで腐っていたような気がします。ありがとうございます」
そして、雪乃は深く頭を下げた。

「ちょ・・・やめーや。何言っとんねんて、アホらしい」
そう言うと和美はあさっての方角を向いた。

 キャシーは、唇をかみしめ目を潤ませていた。

「なんや、まるで別れの挨拶みたいやんか。そんなんまだ早いって!さ、うちは寝るわ。おやすみ」
普段は昼寝なんてしないくせに、和美は背中を向けて横になった。

 雪乃はキャシーと笑い合うと、
「おやすみなさい」
と言って仰向きに横になった。






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