渋谷33番
それから10分もしないうちに雪乃は職員に促され、部屋から出された。
「取り調べがあるから」
そう言うと、手錠をはめられいつもの7階へ連れていかれた。
部屋をふりかえると和美はさっきと同じ姿勢で寝ており、キャシーは小声で、
「ガンバッテ」
と手を振っていた。
取り調べ室に入り、手錠を外されるとすぐに植園と吉沢が現れた。
いつにも増して機嫌が悪そうな植園は、見た目で分かるくらい疲労困憊していた。目がくぼんでいるのが眼鏡越しにもすぐに分かる。
姿勢を正して、机に目を落とした雪乃に、
「どう?疲れてる?」
とやさしく吉沢が尋ねた。
「いいえ。大丈夫です」
微笑んだ雪乃の目が、違和感をとらえた。
吉沢の表情はいつもと違っていたからだ。まるで、憑き物が落ちたかのような晴れやかな表情だったのだ。
ふいに、雪乃に不安が走った。
「取り調べがあるから」
そう言うと、手錠をはめられいつもの7階へ連れていかれた。
部屋をふりかえると和美はさっきと同じ姿勢で寝ており、キャシーは小声で、
「ガンバッテ」
と手を振っていた。
取り調べ室に入り、手錠を外されるとすぐに植園と吉沢が現れた。
いつにも増して機嫌が悪そうな植園は、見た目で分かるくらい疲労困憊していた。目がくぼんでいるのが眼鏡越しにもすぐに分かる。
姿勢を正して、机に目を落とした雪乃に、
「どう?疲れてる?」
とやさしく吉沢が尋ねた。
「いいえ。大丈夫です」
微笑んだ雪乃の目が、違和感をとらえた。
吉沢の表情はいつもと違っていたからだ。まるで、憑き物が落ちたかのような晴れやかな表情だったのだ。
ふいに、雪乃に不安が走った。