渋谷33番

 夢か現実かわからないまま、雪乃はそのチャイムを聞いていた。天井の照明に焦点が合うころには、一旦チャイムは止んでいた。

 いつのまにか寝ていたらしい。


 雪乃はソファから身を起こすと、右にある窓越しの空をながめ、そして壁にかかった時計に目をうつした。
 14時をすぎたところだった。


___目を覚ますためにシャワーでもあびようか


 そう思ったとたん、再びチャイムが鳴った。

 平日の昼間に訪ねてくるなんて、たいていセールスや宗教の勧誘ばかりだ。このまま無視しようと思ったが、チャイムはそれをはばかるように何度もくりかえし鳴った。

「もう・・・」
雪乃は髪を整えながら、のそのそと玄関に歩いていった。



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