渋谷33番
「当たり前じゃないですか!突然やってきていきなり部屋を引っ掻き回して。理解しろってほうが無理ですよ。私がいったい何をしたって言うんですか!?」

「あなたには覚せい剤所持の疑いがかけられています」

「は?」
ポカンと雪乃は口をひらいた。

「この部屋のどこかに覚せい剤を隠しているんでしょ?正直に言ったほうが良いわよ」

 まるで時間が止まったかのように、雪乃の動きは静止した。

 その間も男たちは容赦なく、部屋を調べているらしかった。

 動いてもいないのに呼吸が荒くなる。
「あの・・・それ、本当なんですか?本当に私に覚せい剤使用の疑いが?」

「どこにあるのか教えなさい」


 眼鏡越しの目が、『これは冗談ではない』と告げていた。




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