渋谷33番
3
「主任」
そう吉沢に呼ばれて、植園はさらに眉をよせて顔をしかめた。
「主任って呼ぶな、って言ったでしょう。嫌いなのよ、その言葉」
「はい、すみません」
素直に吉沢が頭を下げた。
7階のフロアには吉沢の他には清掃員がいるだけだった。他のメンツは出払っている。植園は机に座ったまま書類を見るともなくめくっていた。
吉沢は植園の机にお茶を置きながら、
「考え事ですか?」
と尋ねた。
バサッと書類を机に投げ置くと、植園は腕を組みながら吉沢を見た。
「どう思う、あの子。山本雪乃」
「やっぱりその事ですか。DNAの調査依頼が被疑者からくるなんて珍しいですものね」
軽くうなずきながら煙草に火をつけると、深く息を吐き出した。
「たとえどんなに悪あがきをしようと、私は証拠を信じるわ」
「でも、もしDNAが松下野々香のであれば、あの封筒は逆の意味の証拠となりますよ」
そう吉沢に呼ばれて、植園はさらに眉をよせて顔をしかめた。
「主任って呼ぶな、って言ったでしょう。嫌いなのよ、その言葉」
「はい、すみません」
素直に吉沢が頭を下げた。
7階のフロアには吉沢の他には清掃員がいるだけだった。他のメンツは出払っている。植園は机に座ったまま書類を見るともなくめくっていた。
吉沢は植園の机にお茶を置きながら、
「考え事ですか?」
と尋ねた。
バサッと書類を机に投げ置くと、植園は腕を組みながら吉沢を見た。
「どう思う、あの子。山本雪乃」
「やっぱりその事ですか。DNAの調査依頼が被疑者からくるなんて珍しいですものね」
軽くうなずきながら煙草に火をつけると、深く息を吐き出した。
「たとえどんなに悪あがきをしようと、私は証拠を信じるわ」
「でも、もしDNAが松下野々香のであれば、あの封筒は逆の意味の証拠となりますよ」