流れ星を探して
昨日、ピーターと出会った場所。

蘭は立ち止まった。

学校で、ピーターと会ったらどうしよう。

ふと蘭は思った。

でも、会わないよね。

4月から昨日まで、一度も会わなかったんだもの。

校舎が違うし……。

そう考えながら、蘭は自分がガッカリしているのに気が付いた。

「あー、もうっ!」

蘭は立ち止まって、激しく頭を振った。

ピーターのことばかりだ。

昨日から、頭から離れない。

恋煩い。

佐雪の言葉が、また脳裏をかすめる。

恋、なの?

これが、人を好きになるってことなの?

どうしよう。

どうしよう……。

蘭は座り込んで、頭を抱えた。

初めて訪れた訳のわからない感情を、蘭は持て余していた。



< 15 / 52 >

この作品をシェア

pagetop