流れ星を探して
私に会えたから、もう少し頑張ってみる?

どういうこと?

蘭は混乱した。

でも、聞けなかった。

しばらく2人は、黙ったまま海を見ていた。

さっきのような、沈黙が怖いという気持ちは、少し薄れていた。

蘭はそっとピーターの顔を見た。

すっと伸びた高い鼻。

長いまつげ。

軽く閉じた、ほんのりと紅い唇。

海風にゆらめく、少し長い前髪。

少年のような、大人の男性のようなアンバランスな横顔に、蘭は見とれた。

なんて、きれいな横顔だろう。

蘭がじっと見ていると、ピーターがふいに顔を向けた。

「どうした?」

と、ニコッと笑う。

「べ、べつに……」

蘭は慌てて、首を横に振った。

「蘭はシャイだね」

「シャイ……」

「恥ずかしがりやで、おとなしくて、泣き虫」

「……」

「でも、かわいいよ」

ピーターはそう言って、蘭を見つめた。



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