流れ星を探して
蘭の胸が高鳴った。

心臓が、壊れてしまうんじゃないかという錯覚さえ感じた。

こんなふうに、ストレートに言葉を口にするのは、アメリカ人だからだろうか。

クラスメートでこんなふうに言う男子は、きっといないだろう。

しかも全然気取った風もなく、自然に思える。

「蘭はいつもここにいるの?」

「うん。――毎日」

と、蘭は答えた。

「毎日?じゃあ、ぼくも毎日来ようかな」

「えっ?」

「あーっ」

ピーターはふいに両手を拡げ、大きく伸びをした。

「気持ちいい。落ち着くよ」

「……」

「ぼくも、いつも海でぼんやりしてたよ。海を見てると、嫌なことも悲しいことも、みんなとても小さなことに思えるんだ」

ピーターは遠くを眺めながら言った。



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