流れ星を探して
「今日はどこにも出ないの?」

佐雪は蘭の顔を見ながら言った。

「今日はって、いつも出ないじゃない」

「そうだけど……。最近、変わったわよ」

と、佐雪は言った。

「何が?」

「明るくなったというか……。何だか違うのよ、輝いているというか。オーラがあるっていうのかな」

「そんなことないよ」

「いいのよ。隠さなくても」

佐雪は少し笑った。

「母親の勘は当たるのよ。好きな人がいるんでしょ」

蘭はドキッとした。

何も言えず、蘭は目をそらした。

「本当はね、見たのよ」

「え?」

「蘭が男の子と一緒にいるところ。仕事の帰りに、見ちゃったの」

「そう……。でもね」

蘭は慌てて言葉をつないだ。

「別に付き合ってるわけじゃないの。ただ、毎日あそこで少し話して、送ってくれて……。それだけよ」

と、蘭は言った。

「その子は蘭のこと、好きなんでしょ?」

「し、知らないよ。そんなこと、言われたことないもん」

「でも、好きじゃなきゃ会わないでしょ」

と、佐雪は断言した。



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