龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
夏休み計画
1
親愛なる親父殿
あなたの仕事の都合で、わたしが羽竜家の居候となってほぼ四ヶ月。
新しい家に慣れ、新しい学校にも慣れました。
だけど
いまだに慣れないのは――
あー
ここ圭吾さんの部屋だよね
また泊まっちゃったの?
おまけに
どうして圭吾さんが隣で寝てるのよっ!
しかもわたし、しっかり抱きついて寝てるし!
誰か幻だと言って
そろーっと体を引き離そうとすると、体に回されていた圭吾さんの腕に力が入った。
「もう起きるの?」
げっ! そっちこそ起きてたの?
「今日から夏休み補習だから」
圭吾さんの胸に頬を押し当てたまま答える。
顔が熱い。
耳まで真っ赤になってる、絶対。
「ああそうだった。急がなくてもいいよ、車で送るから」
「でもね、シャワー浴びたいな~とか」
「ここのシャワー使えば?」
「着替えがないから」
あきらめたようなため息と共に腕の力がゆるんだ。
ほっとしたのもつかの間、頬に温かい手が触れて
――上から押さえ付けられてしまった。
「いっその事、こっちに移ったら?」
あなたの仕事の都合で、わたしが羽竜家の居候となってほぼ四ヶ月。
新しい家に慣れ、新しい学校にも慣れました。
だけど
いまだに慣れないのは――
あー
ここ圭吾さんの部屋だよね
また泊まっちゃったの?
おまけに
どうして圭吾さんが隣で寝てるのよっ!
しかもわたし、しっかり抱きついて寝てるし!
誰か幻だと言って
そろーっと体を引き離そうとすると、体に回されていた圭吾さんの腕に力が入った。
「もう起きるの?」
げっ! そっちこそ起きてたの?
「今日から夏休み補習だから」
圭吾さんの胸に頬を押し当てたまま答える。
顔が熱い。
耳まで真っ赤になってる、絶対。
「ああそうだった。急がなくてもいいよ、車で送るから」
「でもね、シャワー浴びたいな~とか」
「ここのシャワー使えば?」
「着替えがないから」
あきらめたようなため息と共に腕の力がゆるんだ。
ほっとしたのもつかの間、頬に温かい手が触れて
――上から押さえ付けられてしまった。
「いっその事、こっちに移ったら?」
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