龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
えっ? それって……


「圭吾さん」

「ん?」

「今までにもやったことあるわね?」

「どうかな」

「どうかなって……」


急におかしくなって、わたしはケラケラと笑いだした。


「いたずらが見つかった男の子みたい。圭吾さんにも子供っぽいとこあるのね」

「そう?」

「わたし、心配してたの。ひょっとして圭吾さんはわたしたちの関係を先に進めたくなったのかなって」

「進めたいのは山々だけどね。今朝の僕はただ志鶴と少しでも長く一緒にいたかっただけなんだ」


やっぱり先には進めたいんだ


「わたし達、デートしたらどうかな?」

「デート?」

「みんながしているようなデート。その間は圭吾さんは『お兄さん』じゃなくてわたしの彼氏として考えるようにする。付き合いはじめたばかりの彼って考える」

「面白いね。いいよ。でも何か目標みたいなものが必要じゃないか?」

「そうね……夏休みの終わりにキス、でどう?」


胸がドキドキしたけど、これがわたしの夏休みの宿題だ。

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