龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
デート…らしきもの

夏休み補習四日目。

明日で補習も終わり。


校門のところに一人で立っていると、普段は話しかけてこないような人も話しかけてくる。

「あれ、三田さん? 今日は一人?」

同じクラスの男の子達だ。

「今日は待ち合わせなの。ごきげんよう」

この台詞だけで、たいていは『そっか、バイバイ』となる。


困るのは上級生の男の人達

「二年のお姫様じゃん。一人? 誰か待ってんの?」

「今日はお迎えなので」

失礼にならない程度に答える。

「うわっ! しゃべった!」

しゃべるわよ、馬鹿ね

「すっげえ、声 初めて聞いた」

早くどこか行ってよ。

圭吾さんにはこんなとこ見られたくないんだから。


「しづ姫? 車待ちかい?」

悟くんだ。

よかった。

「圭吾さんを待ってるの」

上級生がまた『しゃべってる』って騒ぐ。

何なのよ!

「先輩方、うちのお姫様をからかわないでもう行って下さい。もうすぐ僕の従兄が迎えに来るし、あいつヤキモチ焼きだから」
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