龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
病院に着いて、お巡りさん二人と入院病棟へ向かった。


圭吾さんは病室へ入って行ったけど、わたしは缶コーヒーを一本渡されて一人で看護師詰め所の前の椅子に座らされた。


つまんない


缶コーヒーをちびちびと飲みながら心の中でぼやく


お仕事だから仕方ないけど

確かに後で埋め合わせしてもらわなきゃ割に合わないわ


缶コーヒーを飲み終えるとすることもなく、壁にもたれかかって目を閉じた。


遅いなぁ 圭吾さん




――志鶴


暖かい手がわたしの頬を撫でる。


「志鶴、起きて」


目を開けると圭吾さんがいて

わたしは両手を伸ばして圭吾さんの首に抱きついた。


「お仕事終わった?」

「今日のところはね。ゴメンね、飽きただろう」

「うん。ちゃんと埋め合わせしてね」


――って言ってから

ここ家じゃなかったよな~と気付いた。
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