龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
「本気だろうね」


えっ? 何が?


キョトンとしていると、思いがけず射抜くような強い眼差しで見返された。


「恋人になるとしたら僕以外は考えられないって言ったよ」

「本気……だけど?」

「志鶴は僕が好き?」

「うん」

「ずっと側にいてくれる?」

「そのつもりだけど?」

「ならいい。いっその事、兄貴じゃないと分からせようかと思ったけど、それなら今はまだいい」



わたしたち何について話し合ってるんだろ

圭吾さんには見えていて

わたしには見えないものの話をしているみたい



「分からないならいいんだ」


圭吾さんは苦笑いした。

< 42 / 86 >

この作品をシェア

pagetop