龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
迷路に入り込んだような不思議な気持ちで食事を終えて

「夜景でも見に行ってみる?」

って圭吾さんに誘われた。


高台の展望台のある公園までドライブすると、駐車場には車が数台停まっていて、わたしたちも他のカップルみたいに手をつないで散歩した。


圭吾さんはここに優月さんと来た事ある?


思わずききそうになり唇を噛んだ。


いやだ

まるでヤキモチ妬いてるみたい


ううん

妬いてるんだ


初めての感情にうろたえた。


だいじょうぶ

今の圭吾さんはわたしだけのものだもの


だいじょうぶ

圭吾さんはわたしを好きだもの


自分に言い聞かせても不安になって、圭吾さんの腕にしがみついた。


「志鶴?」

「帰りたい」

小さな声で言った。


声が震えるのを止められなかった。
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