龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
雷鳴の記憶
1
朝、目が覚めたらやっぱり圭吾さんの腕の中で寝ていた。
わたしの
わたしだけの圭吾さん
昨日はバカだったなぁ
優月さんに嫉妬する理由なんて何もないのに
「起きたの?」
頭の上の方から圭吾さんの声がする。
「うん。今、何時?」
「六時くらい」
「もう起きる。今日はバスで行くね」
「送るよ」
「バスで行きたい」
「志鶴」
圭吾さんの声が警告するように低くなる。
「先延ばしにしたところで何も変わらないぞ」
「圭吾さんは何でも知りたがり過ぎ」
「志鶴は隠し過ぎだ」
次の瞬間仰向けにされ、圭吾さんはわたしの頭の両脇に肘をついて上から見下ろした。
厳しい顔
押さえ付けられこそしなかったけど、脅しとしては十分に効き目があった。
「ヤキモチ妬いたの」
半ベソになりながら白状した。
「圭吾さんは前にも誰かとデートしたんだろうなって思ったら、嫌な気分になったの」
さすがに優月さんの名前は出せなかった。
わたしの
わたしだけの圭吾さん
昨日はバカだったなぁ
優月さんに嫉妬する理由なんて何もないのに
「起きたの?」
頭の上の方から圭吾さんの声がする。
「うん。今、何時?」
「六時くらい」
「もう起きる。今日はバスで行くね」
「送るよ」
「バスで行きたい」
「志鶴」
圭吾さんの声が警告するように低くなる。
「先延ばしにしたところで何も変わらないぞ」
「圭吾さんは何でも知りたがり過ぎ」
「志鶴は隠し過ぎだ」
次の瞬間仰向けにされ、圭吾さんはわたしの頭の両脇に肘をついて上から見下ろした。
厳しい顔
押さえ付けられこそしなかったけど、脅しとしては十分に効き目があった。
「ヤキモチ妬いたの」
半ベソになりながら白状した。
「圭吾さんは前にも誰かとデートしたんだろうなって思ったら、嫌な気分になったの」
さすがに優月さんの名前は出せなかった。