龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
「家に帰りたい……」
急に切なくなって、つぶやいた。
「帰りたい」
「今日は出かけたくないの?」
圭吾さんの声がしてギクッとした。
顔を上げると教室の入り口に圭吾さんが立っていた。
「用事、終わったの?」
「終わったよ。帰る? それともどこか出かける?」
「か……帰りたい」
どうかさっきの言葉を誤解してくれますように
ただのホームシックとはいえ、実家に帰りたいなんて言ったら圭吾さんを傷つけてしまう
圭吾さんは教室に入ってきてわたしの前に立った。
「帰りたい? 家に?」
「うん」
「どこの?」
ごっ……ごまかしきれてないっ!
「け……圭吾さんの家」
「そう? それならいいけど」
わたしは急いでノートやペンケースをかばんにしまった。
かばんを持とうとしたところで、圭吾さんが『貸して』って言って持ってくれた。
手をつないで教室を出る。
「明日からずっと志鶴を独り占めできる」
圭吾さんが言った。
これ以上?
毎日、独り占めしてるじゃない
急に切なくなって、つぶやいた。
「帰りたい」
「今日は出かけたくないの?」
圭吾さんの声がしてギクッとした。
顔を上げると教室の入り口に圭吾さんが立っていた。
「用事、終わったの?」
「終わったよ。帰る? それともどこか出かける?」
「か……帰りたい」
どうかさっきの言葉を誤解してくれますように
ただのホームシックとはいえ、実家に帰りたいなんて言ったら圭吾さんを傷つけてしまう
圭吾さんは教室に入ってきてわたしの前に立った。
「帰りたい? 家に?」
「うん」
「どこの?」
ごっ……ごまかしきれてないっ!
「け……圭吾さんの家」
「そう? それならいいけど」
わたしは急いでノートやペンケースをかばんにしまった。
かばんを持とうとしたところで、圭吾さんが『貸して』って言って持ってくれた。
手をつないで教室を出る。
「明日からずっと志鶴を独り占めできる」
圭吾さんが言った。
これ以上?
毎日、独り占めしてるじゃない