龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
4
わたし達が病院に着くと、要さんが玄関で待っていた。
「司はどうだ?」
「俺がちょっと探ってみたが兄貴の意識まで届かなかった。ありゃ深くまで行ってるな」
「全く! 無理はするなと言ったのに」
「今、優月ちゃんが付いてるけどかなり動揺してる」
要さんはわたしをチラッと見た。
やっぱりわたし邪魔かなぁ
わたしが来たって何の役にも立たないのに、圭吾さんに引っ張られるようにして来てしまった。
この前と同じ入院病棟に行って、今度はわたしも病室に入った。
ベッドの脇に立っていた優月さんが、『圭吾!』って呼んで、圭吾さんにすがりついた。
ちょっと!
わたしの圭吾さんよ!
ムッとしたけど言える訳もなく、慰めるように優月さんの肩を抱く圭吾さんに怒る訳にもいかない。
圭吾さんは優月さんが好きなんだもの
家にいればよかった
要さんがまたわたしをチラッと見るので、『仕方ないわ』って肩をすくめてみせた。
「じゃちょっと見せて」
圭吾さんは優月さんを少し後ろに下がらせて、ベッドに横たわっている司さんの額に手を当てた。
わたしは入口横の壁にもたれかかって病室の中を見回す。
あーあ
優月さんってどうしてあんなに綺麗なんだろ
「司はどうだ?」
「俺がちょっと探ってみたが兄貴の意識まで届かなかった。ありゃ深くまで行ってるな」
「全く! 無理はするなと言ったのに」
「今、優月ちゃんが付いてるけどかなり動揺してる」
要さんはわたしをチラッと見た。
やっぱりわたし邪魔かなぁ
わたしが来たって何の役にも立たないのに、圭吾さんに引っ張られるようにして来てしまった。
この前と同じ入院病棟に行って、今度はわたしも病室に入った。
ベッドの脇に立っていた優月さんが、『圭吾!』って呼んで、圭吾さんにすがりついた。
ちょっと!
わたしの圭吾さんよ!
ムッとしたけど言える訳もなく、慰めるように優月さんの肩を抱く圭吾さんに怒る訳にもいかない。
圭吾さんは優月さんが好きなんだもの
家にいればよかった
要さんがまたわたしをチラッと見るので、『仕方ないわ』って肩をすくめてみせた。
「じゃちょっと見せて」
圭吾さんは優月さんを少し後ろに下がらせて、ベッドに横たわっている司さんの額に手を当てた。
わたしは入口横の壁にもたれかかって病室の中を見回す。
あーあ
優月さんってどうしてあんなに綺麗なんだろ