龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
3
「圭吾とケンカでもした?」
夕食の後で彩名さんにきかれた。
「えっ? してませんよ。わたし、何かツンケンしてました?」
「いいえ。ただ、圭吾がとても緊張していたようだから」
緊張? そうなの?
気付かなかった
でもどうして?
「心当たりはなくて? 志鶴ちゃんに嫌われないか気にしているように見えたのだけれど」
あっ! 今朝の事気にしてる?
嫌だから手を離してって言っちゃったし
「誤解してるかも。あー、どうしていつも失敗しちゃうんだろ」
「誤解なら解いてらっしゃい。
『どこか遊びに連れて行って』っておねだりするといいわよ。
あの子、喜ぶから」
「そんなんでいいんですか?」
「いいのよ。志鶴ちゃんが喜ぶ顔を見るのが好きなんだから」
わたしと圭吾さんの絆はとても脆いと思う瞬間。
彩名さんはちゃんと圭吾さんのこと見てるのに、わたしは何も見えていない。
「二十年以上あの子の姉をやってるのよ。分かって当然。でもね志鶴ちゃん、あの子の心をなだめたり喜ばせたりすることは、あなたにしかできないの」
本当?
わたしは圭吾さんを幸せにできる?
ああ、もう!
くよくよ考えちゃダメ!
「彩名さん」
「何かしら?」
「ありがとう。いつもありがとう」
「どういたしまして。行ってあの子を安心させてあげて」
夕食の後で彩名さんにきかれた。
「えっ? してませんよ。わたし、何かツンケンしてました?」
「いいえ。ただ、圭吾がとても緊張していたようだから」
緊張? そうなの?
気付かなかった
でもどうして?
「心当たりはなくて? 志鶴ちゃんに嫌われないか気にしているように見えたのだけれど」
あっ! 今朝の事気にしてる?
嫌だから手を離してって言っちゃったし
「誤解してるかも。あー、どうしていつも失敗しちゃうんだろ」
「誤解なら解いてらっしゃい。
『どこか遊びに連れて行って』っておねだりするといいわよ。
あの子、喜ぶから」
「そんなんでいいんですか?」
「いいのよ。志鶴ちゃんが喜ぶ顔を見るのが好きなんだから」
わたしと圭吾さんの絆はとても脆いと思う瞬間。
彩名さんはちゃんと圭吾さんのこと見てるのに、わたしは何も見えていない。
「二十年以上あの子の姉をやってるのよ。分かって当然。でもね志鶴ちゃん、あの子の心をなだめたり喜ばせたりすることは、あなたにしかできないの」
本当?
わたしは圭吾さんを幸せにできる?
ああ、もう!
くよくよ考えちゃダメ!
「彩名さん」
「何かしら?」
「ありがとう。いつもありがとう」
「どういたしまして。行ってあの子を安心させてあげて」