龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
「あの狐は、タローは初音さんが死ぬのは嫌だって」
「そうだと思った。あなたはタローの最期を見届けたと聞いたのだけれど」
「ええ」
「聞かせてもらっていい?」
わたしは薄闇の中で獣に聞いた話をした。
どうか
どうか あの深い愛情が初音さんに伝わりますように
泣かずに話そうと頑張った。
初音さんが泣けるように
泣いて
タローにさよならが言えるように
「さみしくないって言ってた。初音さんの名前を抱いていくから」
初音さんは泣いていた。
ポロポロ泣いて
そして微笑んでいた。
「これでよかったのかもしれないわ」
初音さんが言った。
「ずっと一緒にいられたとしても、いつかはわたしは死んでしまうでしょう? タローには受け入れられなかったでしょうから」
「そうだと思った。あなたはタローの最期を見届けたと聞いたのだけれど」
「ええ」
「聞かせてもらっていい?」
わたしは薄闇の中で獣に聞いた話をした。
どうか
どうか あの深い愛情が初音さんに伝わりますように
泣かずに話そうと頑張った。
初音さんが泣けるように
泣いて
タローにさよならが言えるように
「さみしくないって言ってた。初音さんの名前を抱いていくから」
初音さんは泣いていた。
ポロポロ泣いて
そして微笑んでいた。
「これでよかったのかもしれないわ」
初音さんが言った。
「ずっと一緒にいられたとしても、いつかはわたしは死んでしまうでしょう? タローには受け入れられなかったでしょうから」