龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
夏の思い出
1
「龍に囲まれて、ついに竜宮城のお姫さまになったのかい?」
からかうような声に振り向いた。
「悟くん!」
「ハイ! 君の遊び相手のご帰還だ」
「ベビーシッターじゃなくて?」
「まあその役も兼ねている」
「ここ座って」
わたしは自分の横を指さした。
悟くんがわたしの座っているピクニックマットに膝を投げ出して座る。
「すごいね。これ日よけの簡易テント?」
「うん。圭吾さんがつけてくれたの」
「外でおままごと遊び?」
「失礼ね。外が気持ちいいんですもの。コーラ飲む?」
横のクーラーボックスからペットボトルのコーラを取り出すと、悟くんはゲラゲラ笑った。
「やっぱり、おままごとじゃないか。至れり尽くせりの高価なおもちゃっていうだけでさ」
わたしもおかしくなってクスクス笑った。
「ここの裏庭くるの何年ぶりかな」
「龍はお嫌い?」
「幼稚園児にゃでか過ぎたけど、今見ると大したことないね。しづ姫は怖くないの?」
「平気。小さい時うちに一匹いたの。ママが飼ってて」
「へえ。はい、これお土産」
「ありがとう、開けていい?」
「どうぞ」
包みを開くとブロンズ製のエッフェル塔が出てきた。
「かわいい」
「圭吾に腹が立った時、それで殴るといいよ」
からかうような声に振り向いた。
「悟くん!」
「ハイ! 君の遊び相手のご帰還だ」
「ベビーシッターじゃなくて?」
「まあその役も兼ねている」
「ここ座って」
わたしは自分の横を指さした。
悟くんがわたしの座っているピクニックマットに膝を投げ出して座る。
「すごいね。これ日よけの簡易テント?」
「うん。圭吾さんがつけてくれたの」
「外でおままごと遊び?」
「失礼ね。外が気持ちいいんですもの。コーラ飲む?」
横のクーラーボックスからペットボトルのコーラを取り出すと、悟くんはゲラゲラ笑った。
「やっぱり、おままごとじゃないか。至れり尽くせりの高価なおもちゃっていうだけでさ」
わたしもおかしくなってクスクス笑った。
「ここの裏庭くるの何年ぶりかな」
「龍はお嫌い?」
「幼稚園児にゃでか過ぎたけど、今見ると大したことないね。しづ姫は怖くないの?」
「平気。小さい時うちに一匹いたの。ママが飼ってて」
「へえ。はい、これお土産」
「ありがとう、開けていい?」
「どうぞ」
包みを開くとブロンズ製のエッフェル塔が出てきた。
「かわいい」
「圭吾に腹が立った時、それで殴るといいよ」