忘れられねぇよ。
「以上で注文はよろしいでしょうか?」


「「は~い。」」





疲れのせいか会話はまったく無し



カチャカチャ



食器の音だけが耳に響く空間








「俺もう辞めたい。」





「……」






つまらない冗談に付き合う体力は残ってないんだよ





「「………………」」






カチャン






「慎、俺マジなんだわ。もう限界だよ。」












…………






「なぁ慎!」






「ふざけんなよ…。」




腹の底から怒りがフツフツとこみ上げてくる
そうなると人間の手が震えるのは本当だったみたいだ






「おまえ何言ってるかわかってんのか!?



嘘だろ…?」






視線を下にずらす直哉



「…わかってるよ。……辞めたいんだ。2日間でもう続けられないわ。笑」





「ふざけんな!」





「本気だ!こんなに疲れてまで高校生活を終わらしたくない。」





高校生活を終わらしたくないだと?
この3年間は野球に集中しようって語り合ったおまえはどこに行ったんだよ……










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