霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
暗い霊道を通りながら、礼子は自分のお尻に手をやる。
「ちょっとオッサン、アタシがいくら美人だからって暗闇に紛れてケツ触らないでよ? 初めて見るこの美貌に見とれないでよ」
もちろんそれを強く否定する。
「だれが触るか! お前とは初めてじゃない! とゆうかここまで来たんだから、もう隠す必要ないだろ?」
そう言われると、礼子は難しい顔をした。
「だから知らないってば~~。
何だったらアタシの頭とシンクロしてみてよ。もう、そのくらい出来るでしょ?」
霊はベテランになると、人間でも霊でも体を重ねてシンクロさせると、その人の考えてる事が分かる。
「ってか、それを知ってる時点で記憶あるじゃないか! 全く……化けの皮剥いでやるよ」
そのまま言われた通りシンクロさせると、彼女の記憶・意識が流れ込んできた。
…………
しばらく探ると……
「……! こ、これは」
その見た記憶は、本当に霊界の事を知らない事実があった。
ただ、断片的な記憶がチラホラある程度だ。
「う、うむ……」
流石の礼子も、記憶と能力はほとんど消された状態にある。
逆に言えば、微かでも覚えているのは凄い事だが……