霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
でも今ので確実に分かった。
この子は、間違いなく礼子の生まれ変わりだと言う事を。
「全く……何で私が担当の時、礼子君の生まれ変わりの霊が来るんだよ。狙って死んでるの君? ああ、違う担当にしてくれないかな。もう」
「担当は順番制でしょ? 選択の間の番人はあの人しかいないけど、オッサン達担当者は定期的に新人霊の指導・教育に当たる為、番人の補助をするのが役目なんだから。文句言わないの」
「前の礼子君も知らなかった知識を言うのは止めろ。メチャクチャだよ、もうっ」
頭をボリボリと掻きながら、霊道を抜ける間近を迎えた。
もうそこは、人間界への入り口だ。
またこのハチャメチャな子の世話をすると考えると、頭が痛くなる……
まあ、新人霊に1から説明するより、説明が省けて楽な部分があるが。
すると、礼子はオッサンの髪の毛を軽く引っ張った。
「ちょっと待ってオッサン」
「……質問はいいけど、人を引き止める時は服でも掴んで止めようね」