霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
第6死-裏切
一行は歩き続け、その目的地前までやってきた。
そう遠くはなく、例の人間宅が見える。
「明かりは点いていないよーだな……でも潜んでるかもしれないし、何があるか分からない。気をつけて行くぞみんな」
火鳥がそう言うと、礼子の姿だけ確認出来ない。
あれ? あれ? と思っていると、宇賀神の表札のついた門の前に彼女は立っていた。
あんな目立つ所で何を……と思っていると……
そう見守る中、彼女はおもむろに人差し指を突き出した。
ピ~~ンポ~~~ン。
「ちわ―。みかわ屋です~」
な!?
その行動に火鳥は驚く。
「わぁぁぁ!! 何なんだよあの子は!」
オッサンは、その肩にポンと静かに手を乗せた。
「あれが、破天荒な彼女の性格さ。作戦無視。行動矛盾。もう私は慣れたよ」
あれでも一応、変装しているらしい。
みかわ屋を装ったフリ……ね。
まあ馬鹿でも見抜けるけど。
皆は息を飲み、家からどのような返答があるか影で待っているが、何かある様子はない。
本当に留守か?
「よし、行こう」
オッサンを皮切りに、メンバーは門まで向かった