霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
『どうりゃあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』
走馬灯の一部には、彼女の嬉々とした顔と放った時の気合いある声が浮かぶ。
いくら不本意だといえ、オッサンに本気で打つのにそんな顔する?
まあ、もういいや。
あはは。
あはははははは~~~――
衝撃波に巻き込まれながらも翻弄されると、シャっとオッサンの元に何かが飛び込んだ。
それは……眠り猫!
氷から抜けられたら瞬間、超スピードでオッサンを助けに来たのだ。
そのまま手を掴むと、近くの屋根まで飛んだ。
ゴン!
着地失敗。
オッサンは後頭部をぶつける。
「アタタ……た、助かったよ眠り猫君。ありがとう」
何とか死なずに済んだ……
氷よりも先に、礼子に殺されるとこだった。
シャレにならんわい。
そうだ……礼子は……!
先ほどの衝撃で氷はだいぶ剥がれたが、礼子の居たとこはまだ溶けていないようだ。
街に向かった竜巻はもう放っておいて、礼子の救出をしよう。
「オーイ! 大丈夫かね!」