霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
オッサンは、ゆっくり過程を説明した。
「いいかい? 今から三年前。この霊界は未曽有の危機に晒されていたんだ。07(れいせぶん)と言うテロリスト集団に、霊界を制圧されかけたんだ」
礼子は、比較的真剣にフムフムと聞いている。
しかし、考えているのは少し違った。
(トロリストって何だろ? トロロをリストに載せてる集団かな?)
彼女にしては、とても惜しい線を思い描いている。
オッサンは真剣に聞いてると思い込み、話を続ける。
「だけど、そいつ等から守った救世主が現れた。それが今の女王様だ。その女王様は二度とその様な過ちがないように、定期的に新人霊を見定める事を行い始めたのが、今の女王謁見制度だ」
そう言われ、礼子は喜んだ。
「じゃあアタシは選ばれた人間なワケね? オホホホホ! やっぱそうだわさ。貴族のわたくしは、昔から違うと思ってたやんす」
どこの人だよお前……
「いいからアホ、そんな事よりその女王謁見が問題ありなんだ!」
問題はどこにも見当たらないと、礼子は不思議がっている。
「何で何でぇ~?」
オッサンは口ごもるが、意を決して伝えた。
「そっ……その女王様が君の娘なんだよ! 里子君って言う」
その真実に、礼子は驚愕した!