霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
面が取れて、顔が見えた瞬間分かったが、黄鬼の階級は10。
だが、それ程強い霊力を感じない。
むしろ霊力なら、礼子の方が勝ってる気が……
!!
「そうだよ礼子君! 君が頭が上がらないのは人間界の頃の話だ! 今なら君のが力が上だから、反抗してもいいんだよ!」
オッサンは、そう名案を思い付いた。
礼子の姉なら莫大な霊力を持ってるハズだが、ヤツは三鬼神のリーダーにもなれていない。
礼子の姉だからって、霊力が強いとは限らない事を説明するが、それでも礼子は否定し続けた。
「ヤダァァァァ!!! ごめんなさい、もう街のゴミ拾ったりして人間に感謝されないから!」
「お前元々そんな事してねーだろ! この間ポイ捨てしてただろーに!」
オッサンに突っ込まれても、もはや駄目。
心底姉を怖がってるように、見受けられる。
「オホホ、無駄よ。そう簡単に人の深層意識は変えられないわ。それが例え相手が自分より力が弱くても……ね!」
黄鬼は笑い飛ばしながら、衝撃波を乱れ打ちしてきた。
バァン! バァン!
辺りの地形が変わり、草花は無残に散らばった。
「終わったね……」
跡形もなくなった風景に、黄鬼は余裕の笑みを浮かべた