霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
その余韻も束の間、反対方向から声が聞こえた。
「ふぅ~危なかったニャ……間一髪」
見ると、眠り猫は2人を掴んで攻撃を回避していた。
「フン……徳川の猫かい……」
眠り猫は2人を離すと、クルクルと回転しながらジャンプし黄鬼の近くに着地した。
「黒ガラスの犬に言われたくないニャ。さあ、我が輩達は急いでるんだ。お前を倒して、チャッチャと高原に行かなきゃならニャい」
おお、何と頼りになるセリフ。
2人はいがみ合い、戦いの火蓋は切って落とされる。
「手加減はしないよ! 私の特殊能力をくらうがいいさ。『狐火』!」
黄鬼の手元から炎がほとばしり、それをさも優雅に指先で飛ばしてきた。
「ニャ!?」
避けても後を追ってくる炎。
……が自身のスピードと比べたら、大した早さじゃない。
この程度ならと思っていると、黄鬼は次々と狐火を出した。
「何個まで耐えられるかしら! くらえ!!」
一つ、二つ、三つ、四つ……
その数は、どんどんと増やしていった!